ブースターはギターソロの時など、ここぞという時に音量を上げたり、アンプの歪みをプッシュするエフェクターです。機種によっては音にツヤ感が出るので、常に掛けっぱなしにする事もあります。
ブースターには、「トレブルブースター」「ミッドブースター」「クリーンブースター」「ゲインブースター」といった種類があり、それぞれ増幅するポイントや用途が違います。
オーバードライブをブースターとして使用するのもポピュラーですが、ここでは純粋にブースターとして発売されている機種を紹介します。
ブースターの接続順
狙ったサウンドにするために、順番を変えて接続します。
●歪みの量を増やしたい時
ギター → ブースター → 歪み系ペダル → アンプ
●音量を上げたい時
ギター → 歪み系ペダル → ブースター → アンプ
主なコントロール
LEVEL/VOLUME: 音量レベルをコントロールします。OFFの時よりも少し大きめに設定して、ここぞという時に目立つような音量にします。
BOOST/GAIN: 歪みの量をコントロールします。
TONE(Treble/Middle/Bass): ブーストする帯域を調整します。
定番のブースター
Xotic/EP Booster
その昔、通すだけで音が良くなると言われていた、Maestro Echoplex(テープエコー)のプリアンプ部分だけを再現したブースターです。
Echoplex系のブースターはいくつか発売されていますが、このEP Boosterは一番人気があると思います。ノブは1つで、約+20dbまでブーストが可能です。また内部のDIPスイッチで周波数の切替もできます。ブースト帯域が絶妙に設定されているため、掛けっぱなしで使われることも多いです。
Xotic/RC Booster Ver.2
オーバードライブ的な使い方もできるクリーンブースターです。トレブルとベースの調整ができるので、幅広い音作りが可能になっています。ゲインコントロールが2つありますが、ローゲインであまり歪みません。音抜けは良く、原音を活かした重厚でメローなサウンドから、高音域をピンポイントにした派手なトレブルブースターとしても使えます。18Vで駆動させることもでき、その倍音と透明感は抜群です。
これも常時ONで使っている場合が多く見られます。
MXR/Micro Amp
MXRのロングセラーモデルです。コントロールはGAINノブが1つとシンプルながら、ブースターとしての役割は十分すぎるほど。ノブを回していくと、ゲインと同時に設定されている帯域(高音域寄り)がブーストされていき、12時辺りからは少し高音が削られながら歪み始めます。クリーントーンで使う場合は11時までに抑えておくと、ジューシーで締まったサウンドになります。また、歪み系の前につなぐ事で、重厚で滑らかなドライブサウンドが得られます。
TC Electronic/Spark Booster
最大で+26dBのブーストが可能なクリーンブースターです。ブーストのニュアンスを変えるFAT/CLEAN/MIDの3モードスイッチと、TREBLE、BASSコントロールを装備。Gainノブで全体のサチュレーション感とコンプ感を調整し、EQで強調したい帯域を設定します。太く甘いトーンから中音域を持ち上げたミッドブーストサウンドまで、原音を変えずに幅広いサウンドメイキングが可能です。
LEVELノブが1つの、シンプルなミニサイズバージョンもあります。
おすすめのブースター
Suhr/Koko Boost Reloaded
フットスイッチを長押しすることで、クリーンブースターとミッドブースターを切り替えて使用できるブースターです。
通常はクリーンブーストでアンプをプッシュしておいて、ギターソロの時だけミッドブーストに切り替えるなど、サウンドのバリエーションを増やすことができます。
ミッドブーストモードでは、3wayスイッチでHigh/Mid/Lowの帯域を設定し、Mid Qノブで細かい帯域を調整することができる、ワンランク上のブースターです。
Durham Electronics/SexDrive
チャーリーセクストンの要望で開発されたクリーンブースターです。
見た目はオーバードライブのようですが、GAINを上げていっても単体では歪みません。歪み系の前段に接続することで、音圧のある豊かな倍音成分を含んだ、伸びのあるドライブサウンドに変貌させます。
Soft/Hard/Offの3wayスイッチはコンプレッションの切替で、クリッピングの度合いを選ぶことができます。
アンプの特性を最大限に活かすことができるように設計されているので、クリーンブーストとしては最終段に接続すると一番効果を発揮しそうです。
Lee Custom Amplifier/12AU7 & 12AX7 Buffer + Booster
ミニサイズのアルミシャーシに、真空管アンプに搭載されているプリ管12AX7、または12AU7を内蔵し、真空管で動作するバッファー/ブースターです。内部回路で100Vに昇圧する事により、真空管ならではのウォームでパワフルなサウンドメイクが可能です。
ノブを左に回しきった状態でバッファーモード。原音を色付けすること無くチューブサウンドを得ることができます。デジタル機器などの前段に接続すると、デジタル臭さを緩和してくれます。
ノブを右に回していくとクリックスイッチがONになり、最大で20倍近くもブーストされます。
消費電流が最大350mAとデジタル機器並みなので、電源アダプターは400mA辺りのものがお勧めです。
Providence/Final Booster VFB-1
プロビデンスならではの原音に色付けしない、音質を重視したフルレンジのクリーンブースターです。独自のVITALIZER回路(バッファー)を搭載し、ローインピーダンス化した劣化の無いサウンドを、最大で10倍程度までボリュームアップする事ができます。
OFF時でも信号はVITALIZER回路を通過しているので音痩せする事が無く、BOOSTをONにして音量レベルをかなり上げていっても、低音域から高音域まで、原音のままのサウンドでボリュームだけをアップする事ができます。
Free The Tone/Cruncy Chime CC-1B
ビンテージ楽器特有の、豊かで煌びやかな倍音成分を研究して開発されたブースターです。どんなアンプや機材を使っても、高音域が耳につく感じがないように、絶妙なEQの周波数特性に調整されています。
TREBLEとBASSのノブが12時の位置でフラット。そこからブーストやカットをしてもガラッとイメージが変わる訳ではなく、非常にナチュラルに変化していきます。2wayのモードスイッチで周波数を選択することができ、低音域を強調したモードでは、多弦ギターやベースに効果的な設定になっています。