コーラスは原音に対して微妙にピッチの違う10ms〜30msの遅れた音をミックスして音を揺らすエフェクターです。サウンドに奥行き感や透明感が加えられ、特にクリーントーンでのコード弾きやアルペジオなどで多く使用されます。12弦ギターで弾いたような広がりのある独特な雰囲気を醸し出します。
コーラスには内部回路にICを使用した「デジタルコーラス」と、BBD素子を使用した「アナログコーラス」があります。
デジタルコーラスは高音域が保たれるため、透明感のあるクリアなサウンド。アナログコーラスは高音域が少し削られるため、厚みのあるナチュラルなサウンドが特長です。
コーラスの接続順
基本的にモジュレーション系のエフェクターは、歪み系ペダルと空間系ペダルの間に繋ぎます。
アンプにエフェクトループ端子がある場合はここに接続することで、よりきれいな効果を得ることができます。
ギター → コンプレッサー → 歪み系 → コーラス → 空間系 → アンプ
ギター → コンプレッサー → 歪み系 → アンプ(SEND端子) → コーラス → 空間系 → アンプ(RETURN端子)
主なコントロール
DEPTH: 揺れの深さを設定します。
RATE/SPEED: 揺れる速さを設定します。
MIX: 原音とエフェクト音の割合を設定します。
LEVEL: 出力されるエフェクトの量を調整します。
定番のコーラス
BOSS/Chorus CE-2W
Roland のギターアンプ「JC-120」のコーラスユニットを取り出した、名機CE-1とその後継機種CE-2の回路設計を「技クラフトシリーズ」で完全再現し、BBD素子を使用したフルアナログコーラスです。
コントロールはRATEとDEPTHの2つとシンプルながら、3つのモードスイッチにより、深く厚みのあるCE-1サウンドと揺れの強いビブラートに加え、CE-2の爽やかなコーラスなど、BOSSならではのコーラスサウンドが楽しめます。
ステレオ出力にも対応しており、空間の広がりを感じるサウンドを作ることができます。
Providence/Anadime Chorus ADC-4
モノアウトでありながら、まるでステレオ出力をしているかのような広がりと奥行きを感じられるエフェクターです。コードカッティング、アルペジオなど様々なプレイに追従する設計で、国内外のプロミュージシャンにも多く愛用されています。
アナログではあるものの、高音域の減衰が少なく透明感のあるクリアなサウンドが特長です。3段階に深さを変えられるトグルスイッチに加え、MIXノブにより原音とのミックスバランスを調整でき、幅広いコーラスサウンドを作ることができます。スピードに応じてLEDランプの点灯速度が変化するのも視覚的に分かりやすくて便利です。
Electro Harmonics/Small Clone
コーラスのキャラクターを変えるDEPTHスイッチと、RATEコントロールというシンプルな構成ながらも、レズリースピーカーのようなロータリーサウンドも再現が可能。繊細で透明感のあるコーラスサウンドはあらゆるジャンルにもマッチします。アナログならではの重厚なコーラスサウンドは、クリーントーンでのコード弾きはもちろん、アルペジオにも最適です。
本体は通常サイズの1.5倍ほどあり、エフェクトボードのスペースが気になる方は、機能そのままにコンパクト化された「Nano Clone」もラインナップされています。
TC Electronic/SCF Gold
今現在でも愛用者の多い、1976年に発売されたコーラスの最高傑作と言われるTC Electronic社のSCF(STEREO CHORUS + PITCH MODULATOR & FLANGER)。その伝説のSCFペダルが高音質でナチュラルなサウンドはそのままに、より現代風にアレンジされて完全復刻。BBD素子を使用した完全なアナログ回路は、ヘッドルームや低周波数域の改善がされています。さらに電源回路にも手が加えられ、AC 100Vの本体固定電源コードから、DC9Vのジャック式に変更。
アナログならではの、温かみのある上品なコーラスとしてはもちろん、ピッチモジュレーター、フランジャーも同様にエグくなりすぎずに使うことができます。
おすすめのコーラス
BOSS/MD-500
BOSSの名機CE-1や三相コーラス、Uni-Vibe、70年代のフェイザー、SLICERやOVERTONE、さらにリングモジュレーターなど、ヴィンテージ系からモダンなものまで、12モード・28タイプのエフェクトを網羅。
同時に2つのパッチが使用できる「A/B Simulモード」を搭載。接続方法も直列/並列を選択できます。
さらに外部エフェクターを本機の前後に接続することができるインサート・ループ機能により、音作りの幅も格段に広がります。
最大297個メモリーが可能で、MIDIでの操作やエクスプレッションペダルでのリアルタイム操作も可能。
専用エディターを使用することで、さらに細かい音作りもできます。
Free The Tone/TRI AVATAR TA-2H
LEFT/CENTER/RIGHTの個別のコーラスと原音をミックスして出力する事で、通常のステレオコーラスよりも奥行き感と広がりのある、深い3相コーラスサウンドを作り出すデジタルコーラスです。
モノラルで使用する場合は、3系統のコーラスをミックスして出力。ステレオで使用する場合は、L/R/L+Rに振り分けられ、左右で異なる設定をする事ができます。またHI-CUTフィルターによりアナログコーラスの高音域が減衰したような調整も可能です。
デジタルならではの高解像度なクリーンサウンドにより、深く広がりのあるクリアなコーラスサウンドが得られます。本体に4つまでプリセットを保存できる他、MIDIでのコントロールも可能です。
Strymon/Ola Chorus
アナログコーラスの特長であるBBD素子を使用したサウンドを、DSPによって忠実に再現し、デジタルでありながら煌びやかで透明感のあるコーラスサウンドを実現。chorus/multi/vibratoの3つのタイプに加え、norm/env/rampの3のモードを搭載。通常のnormal、ピッキングの強弱に反応してコーラス効果が追従するenv、フットスイッチを踏んでいる間だけONになるrampなど使い方はフレキシブル。
また、原音とのMIXやTONEの調整も可能で、高品質なコーラスサウンドをよりダイナミックに演出することができます。お気に入りのセッティングは、FAVORITEフットスイッチを長押しすると保存でき、瞬時に呼び出すことができます。
Universal Audio/Astra
モノラルIN/OUTとステレオIN/OUTを備え、接続のバリエーションが豊富です。クラシックなモジュレーションエフェクトを忠実に再現しながらも、あくまで現代的に、かつレコーディング機器を多く製造しているUAならではの超高音質。Roland JC-120のコーラスユニットを完全にエミュレートし、BBD素子を使用した回路から作られる、ぶ厚く豊かなコーラスと繊細なビブラート効果を提供します。
また、UAFX Controlアプリにより、ライブ/プリセットモードの設定、追加エフェクト、バッファードバイパス/トゥルーバイパスの設定が可能になっています。